Narihiko YOSHIDA

CEO 吉田就彦のマーケティングウォッチ

2015.05.29

21世紀のビッグデータを考える③「ビッグデータと時間軸」

前回からの続きで「21世紀のビッグデータを考える」がテーマです。
今回は「ビッグデータと世界」について書いてみたいと思います。

<ビッグデータと世界>
時間軸に加えて「21世紀の資本」で展開されている論の説得力をさらに増すことになったのが、世界各国のデータ分析による世界への視点です。
詳細なデータが入手できる国とそうでない国との違いはあるものの世界的な視点による各国の比較や地域毎の分析による先進国と開発国との格差の検証を、共通のデータを元に対比していることに意義があります。
それぞれの国のそれぞれの事情を勘案した緻密なデータの収集と計算により各国を同じ尺度で比較できるようなデータにしており、それらを明確にしてデータ化しなければ正しい数値は得られないからです。

データの分析にはそのデータとなる数字の裏付けが必須という事であり、「21世紀の資本」で示された多くのデータの説得力はその途方もない筆者らの努力によるデータ収集の結果なのです。

マーケティングホライズン3月号に寄稿されたホットリックの宮田将士氏の「中国インバウンド消費」の論考では、中国ならではのデータの収集方法や解釈の難しさが指摘されています。

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特に国の成長スピードとともに変化が異常に早い中国のソーシャルメディアのデータでは、その数値が持つ意味もどんどん変化していくであろうし、常にそのメディアを利用するユーザー動向を把握していなければ、ビッグデータ活用による訪日観光客のマーケティング戦略も立てられないとの指摘がされています。

海外のビッグデータ活用においては、その国の事情を勘案しその国の特殊性を理解した上で分析する視点が重要となるのです。

同号では、経済物理学の増川純一教授から、「株式市場の取引データから投資家の不安心理を読む」として、ピケティ教授がファーカスした資本の中でも大きな位置を占める株式市場についての考察がされています。
人の心理に大きく影響される株式市場の中で、リーマンブラザース破綻の影響が世界の投資家の不安心理をあおり、それが世界規模で表出するという今日的な世界金融の連動性が報告されています。

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この連動性はまさにピケティ教授が指摘する格差の是正のためには世界規模での対策が必要であることを端的に表しており、世界中で起こるトレーディングのビッグデータのようにコントロールできない厖大なデータの裏にも人々の心理が大きく作用することを示しています。
しかも、それらは国を超え互いに影響し合って常に動いていくものであり、そのように国際間のデータの扱いは世界視点で見ないと見えてこない事が示唆されています。
(宮田氏、増川氏の寄稿にご興味がある方はマーケティングホライズン3月号をご覧ください。)

次回に続きます。

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