2015.05.27最新社会トレンド
21世紀のビッグデータを考える①
近年マーケティングの場において、誰もが関心と疑念を持ち、
更にはどう落とし前をつければいいのかが
悩ましい存在として、ビッグデータがあります。
マーケティングの場でのビッグデータとは、
顧客の消費行動が紐つく厖大なデータ
ということに偏りがちですが、そもそも膨大なデータを
どう扱うかの視点を見極めなければ
マーケティングへの応用もかないません。
現在売れているトマ・ピケティ著の「21世紀の資本」は
21世紀の世界が直面している格差=不平等という問題を、
20ヵ国の膨大な経済データを元に21世紀の世界経済の未来を指摘した
エポックメイキングな本となっています。
この話題の書のインパクトを支えたのが
3世紀を超えるイギリス・フランスの詳細な経済データ20ヶ国を超える国の
膨大な経済データ、アジア・アフリカ・アメリカ大陸・欧州などの
地域毎の経済統計データ等の膨大なデータの力です。
そのデータを紐解く著者の冷静な視点が
この本のヒットの大きな要因と思われます。
マーケティングにおけるビッグデータの扱いを考えるとき
本書の説得力の源泉であるデータを見つめる視点には
21世紀のビッグデータを捉える際のヒントがあるのではないでしょうか?
私が編集長を務めた「日本マーケティング協会」発行の
マーケティングホライズン3月号では
「21世紀のビッグデータ」をテーマに特集を組みました。
また、ヒットコンテンツ研究所では、膨大なデータそのものをビッグデータと捉えて、、
現在少々食傷ぎみのビッグデータ狂騒曲後の
ビッグデータの紐解き方を追求しています。
我々は、ソーシャルメディアの研究を
10年続けてきていますが
やっかいなソーシャルメディアの存在が無くならないように、
残念ながらマーケッターはビッグデータの呪縛から
逃れられないことを実感しています。
ますます複雑化するそんなビッグデータとの付き合い方を
企業とのプロジェクトの中で生かしています。
次回は、具体的な事例を交えて、ビッグデータの取り扱い方を書いてみたいと思います。