2015.07.11コラム
家族の外食利用のトレンド
本日は「家族の外食利用のトレンド」についてです。
ヒットコンテンツ研究所では、外食産業のクチコミ調査に携わっています。
マンスリー、ウィークリー、デイリーと、様々なタイムラグでソーシャルメディア上のクチコミをリサーチし、企業の担当者へ消費者の生の声を届けています。
これにより、企業側では、新商品の評判、各店舗で起こっている問題、等々をタイムリーに把握し、迅速に対応できることが可能となるわけです。
店舗やWebでのアンケート調査では、どうしても回答にバイアスがかかります。同時に、大量のデータを取得するのにかなりの費用がかかってしまいます。
ソーシャルメディアのクチコミ調査では、迅速に大量の消費者の声を集めることが出来、且つ、それらを客観的に要約してお届けすることで企業担当者がすぐに活用できる内容でお届けしています。
そんな外食産業でも、日々、トレンドが変化しています。このコラムでは、家族層における外食利用のトレンドを簡単にまとめてみたいと思います。
まず、2014年6月から2015年5月までの1年間に、家族で外食利用をしたブログクチコミ4,000件を取得し、それらの中に出現する語句を整理しました。
<固有名詞>
①1番出現回数の多いのスシローでも44件/4,000件中となっており、固有名詞を語らないクチコミが多い。
固有名詞がしっかりと語られているのは「スシロー」「マクドナルド」ぐらいとなっている。「回転寿司に行こう」ではなく、「スシローに行こう」と語られていることから、ブランディングが出来ていることが伺える。
②各々の要件を満たすことが出来る「イオン」や「ららぽーと」等の大型モールが出現している。
家族層を取り込むには、大型モールへの出店が効果的な施策になる様子である。
③「スシロー」「ガスト」「くら寿司」等の価格がリーズナブルな店が上位に。
<何を食べているのか?>
①「焼肉」利用が圧倒的に多いが、「店名」が出てこない。「ラーメン」「回転寿司」「寿司」も多い。
家族で外食と言えば「焼肉」「ラーメン」「回転寿司」なのかもしれない。
②「ケーキ」や「デザート」があることも重要な様子。
③「ファミレス」より「居酒屋」が上位に来ており、「居酒屋」人気が伺える。
<その他、ポイントとなりそうな語句>
①「ランチ」利用が「夕食」利用の2倍となっている。
②ママクチコミが多く、家族に「野菜」を食べてもらう意識が強い。
③「食べ放題」「バイキング」「飲み放題」というキーワードが出現している。
「高い」「安い」「節約」も上位にあり、価格が重要な選択基準になっている。
④「サービス」「キッズ」「ベビーカー」が出現しており、お子様向けサービスも重要な要素となっている。
311以降の放射能問題や、食品偽装問題、等々があり、消費者が近年気を配るようになっている産地や鮮度へのこだわりは語句のランキングには入ってきていません。
但し、こだわる方は非常に強くこだわる様子がクチコミに見受けられました。
また、オーガニック志向の方は、基本的に外食時の食材等を信用し過ぎない意識を持っており、外食はあまりしないようです。
オーガニックにこだわる方たちのクチコミを読みますと、殆どが食材を調達する様子が語られていました。
家族で外食するクチコミをまとめると、安くお腹いっぱいになれて、ご飯からデザートまで選択肢が広いメニュー、且つ、子供を連れていっても問題がないお店を選ぶようです。
参考までに、固有名詞出現率が圧倒的に高い「スシロー」のクチコミを拾ってみましょう。
- 久しぶりに週末家にいるので家族で外食です…うちの家族は食べるものが合わなくて一緒に行けるお店はスシローだけなんです
- ネタがしっかりしてるし新鮮さがあるスシロー大好きです( ^ω^ )
- スシローへ行った。2人で16皿くらい食べて、デザートも食べて、夫はお酒飲んで、3000円ちょっと。息抜きって称した夫婦の外食。他のものも良いけど、回転すしは、満足感があるね~って言ってる。
- 今日は久しぶりに家族で外食(*´罒`*)初スシロー!!寿司屋さんだけどラーメンとポテトが激ウマでしたw
- 家族でスシローに行って来ました 何度も行っているスシローですけど 何度行っても食べるのが・・・ 長女がきつねうどん 次女がしょうゆラーメン 私が味噌ラーメン 親子3人、麺類は必須です そしてもう1つ必須なのが・・・ デザート 私しか食べていないですけど、 フローズンパフェソーダ
ネタが美味しくて安い、ラーメンやポテト、スイーツ等寿司以外のメニューも充実しており大人も子供も楽しめることが人気の秘密のようです。
一方で、食べログサイト等を見ますと、グルメな消費者によるきめ細かいクチコミが大量に投稿されています。
家族層からターゲットを広げると、食にこだわる消費者が多いことも感じます。
ターゲットによって、店舗やメニューのブランディング戦略、マーケティング戦略を考えることがとても重要だということでしょう。
年毎の外食産業のトレンド変化をまとめたレポートなどもご用意しております。ご興味ありましたらお問合せ下さい。
(スタッフ・日高)