2015.05.16コラム
大河ドラマ視聴率低迷の要因
本日のテーマはNHKの大河ドラマ「花燃ゆ」です。
私自身、大のつく大河ドラマファンで、現在放映している「花燃ゆ」も毎週楽しみに観ております。
ところが、ネットニュースを見る限り、どうやら視聴率は苦戦中の模様です。
この低迷の要因をソーシャルメディア上に散らばる視聴者たちの感想からひも解いてみたいと思います。
まずは、「花燃ゆ」を語るブログやTwitterを調べてみました。
ところが、当たり前の話ですが、テレビドラマを鑑賞したクチコミは、「観たから」「面白かったから」「感動したから」書くわけです。
観るのを止めた理由はあまり書かれませんし、観なくなったら感想を書き込むことはありません。
というわけで、私と同じ様にドラマを楽しみに観続けているクチコミが多く、なかなか視聴しない理由が浮き彫りになりません。
そこで、2ちゃんねるをのぞいてみました。
ソーシャルメディア上でコンテンツやマーケティング効果のリサーチをする際に、意外と参考になるのが2ちゃんねるです。
多少言葉使いにドキっとするような荒々しい(笑)コメントも多いのですが、言っていることはマニアならでは深い知識と洞察力にあふれているのです。
2ちゃんねるでネガティブな意見を言っているコメント3000件をピックアップして、キーグラフで解析した図が次の図です。KeyGraph は、文章構成のキーワード抽出を行うデータマイニングの手法です。
①今回の「ヒロイン」が「無理」。これは、井上真央さんについてではなく、元々モデルになってる「文」という人物が受け入れられていないようです。
②出てくる様々な「キャラ」に「気持ち悪い」。これは、演じている役者が気持ち悪いのではなく、逸話や史実で知っている人物像と違う点が「気持ち悪い」という言葉につながっている様子。
③「スイーツ」受けを狙った「イケメン」「ホームドラマ」というのが、ドラマのコンセプトだと思われているようですが、これが受け入れられてないようです。お菓子をカッコつけて「スイーツ」と呼ぶ、流行(または商業宣伝など)に流されやすい人種の総称、多くは若い女性、という意味のインターネットスラングのようです。
④「無い」という語句を中心に「興味」「物語」「脚本」「演出」「設定」「制作」という言葉が取り巻いています。
まとめると、ドラマの企画・戦略が受け入れられていないようです。出てくるイケメン役者へのネガティブはないのに「イケメン役者を使う」ことにネガティブな感情が生じています。
視聴率低迷の要因は、「役者」ではなく「制作」にある、と言えそうですね。
視聴率が一桁にまで下がっていることがニュースになっていました。
何かしらのテコ入れ、方向修正がない限りは上向いていくことは難しいでしょう。
必要なのはイケメンなのか?魅力的なキャラクターの投入なのか?それとも思わず息を飲む暗殺シーンなのか?ソーシャルメディアを細かく調査すれば何らかの解が出そうです。
ソーシャルメディア上には「花燃ゆ」を応援するクチコミもたくさんありますし、いよいよ松陰がいなくなりました。
伊勢谷さん演じる松陰は非常に存在感の大きなキャラでしたが、彼がいなくなった後、ドラマがどのように広がっていくのか楽しみです。
日曜日の夜8時、お時間があったらぜひ「花燃ゆ」をご覧ください。
あれこれ書いてしまいましたが、お金も時間もかかった良質なドラマであることは確かです。
1年かけて、少しずつ大きく育っていく途中なのかもしれませんよ、お見逃し無く!
(スタッフ:日高)
ヒットコンテンツ研究所では、長年に渡りソーシャルメディア上のクチコミ分析研究を行っています。
・新商品開発や派生商品開発のためのニーズ抽出
・新商品におけるテストマーケティング施策の効果検証と改善点の提案
・新商品発売後の初期マーケティング施策の効果検証と改善点の提案
等々、様々な企業様の御依頼を受けてマーケティング支援とビジネスプロデュース支援を行っております。
このヒットコンテンツコラムでは、月に1回程度、世の中で話題になっている商品や社会動向について分析した結果を連載していきます。コラムですので深い分析結果ではなく表面的な内容にはなりますが、わかりやすく流行りのヒットの要因をまとめてみたいと考えています。